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2006年 04月 16日
そら豆のパウンドケーキ、というのを焼いてみました。
![]() 見た目、普通のパウンドケーキですねぇ(汗)。 レシピは、こちらの本から。 杉野英美さんというパティシェは、’91年のクープ・ド・モンドで、日本チームを初優勝に導いたリーダーだったそうで、有名な方のようなのですが、私が杉野さんのことを知ったのは、つい最近のこと。 NHKの「プロフェッショナル」という番組で偶然見かけた杉野さんの一言一句に、惹きつけられてしまったのです。 というのが、番組のサブタイトル。 まず、この言葉にぐぐっときて、引き込まれるように、番組を見始めました。 それは、フランスでの修行時代のこと。 杉野さんが初めてフランスで働くことになったアルザスのレストランは、パティシェさえいないような小さな地方レストラン。本場の菓子づくりを学ぶどころか、雑用に明け暮れる毎日。 オーナーが求めていたのは、安い賃金の外国人労働力だった。 失望の日々の中で、彼に転機が訪れたのは、休日に出掛けたパリでのこと。偶然入ったあるパティシェリーの味に、惚れこんだ。 すぐに働かせて欲しいとシェフに直談判するが、なんの経験も実績もない彼を雇う気など、シェフにはない。それでもあきらめない杉野さんに、シェフは、言い放つ。「お前は嫌いだ。」 それでも、杉野さんはあきらめない。修行先を点々としながら、週に一回、シェフに手紙を送り続けた。返事はこない。 4年(!)の歳月が過ぎ、とうとう杉野さんのもとに、シェフからの採用の返事がくる。 喜び勇んで飛び込んだ厨房。あの深い味わいはどのようにして作られているのか。 けれども、杉野さんが見たものは、思いもかけない事実だった。 そのパティスリーのレシピは、製菓学校で教えられているものと、なんら変わりがない、ごく当たりまえのものだった。 彼は、落胆した。訳が分らなかった。では、あの味はどうやって作り出されるのか。 あるとき、彼は気づく。 レシピは当たり前のものだ。だが、この店では、その当たり前のことを、一切手抜きをせずに行っている。 例えば、お菓子に良く使われるフランボワーズ。ひとつひとつ丁寧に点検する。 お菓子を焼く時間は、秒単位できっちり守る、染み込ませるお酒の量はグラム単位で守る。 あるとき、1人の職人がお菓子をほんの少し焦がした。 シェフは言った。「この菓子は、お店に出せない。」 その日のうちに、その職人はクビになった。 「味を飛躍的に高めるための裏技などない。」 シェフの仕事は、いつも徹底されていた。美味しいお菓子を作るためには、特別なレシピや技が必要なわけではない。 地道な細かいことまで、手を抜かずに、きっちりやる。簡単なようでも、毎日のこと。ましてや、一日に何百個ものお菓子を作るお店の厨房では、並大抵のことではない。 「当たり前が一番難しい。」 そして、「当たり前を積み重ねると特別になる。」 このことは、今の杉野さんの信条にもなっている。 毎朝お店に出ると、杉野さんは一番にすることがある。 アンブロワジーという、チョコレート菓子の仕上げ。 このお菓子は、杉野さんがクープ・ド・モンドで優勝したときの出展品で、彼の代表作のひとつ。 このチョコレートの仕上げを、彼は他人に任せない。 その日の温度や湿度によって微妙に変わるチョコレートの適温を、混ぜながら粘り気だけで判断する。 うるしのようなつやが出る最高の状態は一瞬。それを逃したら、お店に出せるものにはならない。 ケーキに入れる生姜の切り方が荒い、と弟子をしかりつける。弟子が切った生姜の厚さは3ミリ。やり直して見せた杉野さんのは2ミリ。1ミリの違いが食感を左右する。 「細部にこそ、神は宿る。」 この言葉は、20世紀を代表する建築家の一人であるミース・ファン・デル・ ローエという人の言葉だそうですが、実は、私のこよなく敬愛するNYのお料理の先生の口癖でもありました。 素晴らしいものを作り出す人ほど、小さな部分の積み重ねが、いかに全体に影響するのかを知り尽くしているのでしょう。 杉野さんは現在52歳。東京の京橋にお店を構えるほかは、支店はもたず、デパートへの出店もいっさいしていないそうです。 「自分の手を離れたら、自分のものではなくなる。」と、話していました。 2年ほど前から、腱鞘炎に悩まされ、いつまで現場に立てるのか、不安もありながら、毎日厨房で、お菓子と向かい合い続けます。 「職人は進化しなければならない」 いつもいつも同じようなことの繰り返しのようでも、その中から、少しでも良く出来ないかと考える。味も手順も。 今日50分かかった作業を明日は45分でやろうという進歩。同じミスを繰り返さないように手順を変えてみる進歩。そして、常に、その時点での最高の味を作り出すという味の進歩。 進化のない職人はだめだ、と彼は言う。 毎年クリスマスに新作ケーキを作り上げることを自らに課している杉野さん。 2005年のクリスマスのケーキが作り出されるまでの過程を番組で追っていました。 腱鞘炎で痛む腕を抱えながら、あれこれ思考錯誤を繰り返し、納得のいくケーキを作り上げたときの、少年のような笑顔が印象的でした。 「答えは現場にある。」 行き詰ったときほど、厨房に戻り、日常の作業に没頭するのだそう。 生地を混ぜる、ムースを搾り出す、果物を切る。 当たりまえの作業に没頭することで、今、なにが一番大切なのか、を見つめなおす。 この番組では、最後にゲストに、プロフェッショナルとは、なにか?と、問いかけます。 「永遠の未完成でいたいと思っているんです。だから、今日よりも明日、明日よりもまたその次の日が、もっと美味しいお菓子が出来るように、あきらめないで、自分を高めていきたい。それが、プロなんですかね、やっぱり。」 厨房でお菓子と向き合うときの真剣な眼差し。弟子を叱りつける大きな声。そして、美味しい、と言ってもらったときの、子供のような笑顔。 一言一言に、一つの道を、まっしぐらに歩んできた人の深みがあり、それでいて重々しくなく、心に刻みたくなるような言葉の数々。 月並みな言葉ですが、本当に感銘を受けました。 杉野さんの語った一言一言は、菓子職人でなくても、どんなことにも通じることだと思います。 自分にとっての、当たり前は、なにか。 当たり前を積み重ねていこう。 そう、思いました。 さて、あまりに感動した私は、早速、杉野さんの本を、ぽちっとしてしまいました。 日本から送ってもらったので、手もとに届くまで、数週間。 届いた本は、期待通りの内容。 あれこれ作ってみたいものが目白押しなのですが、まず作ってみたのが、そら豆のパウンドケーキ、というわけです。 季節もちょうどいいし、豆続きでちょっと差し上げたい方などもいて。 と、勇んで材料を調達にでかけたものの、あまりいいフレッシュのそら豆に出会わず、万事休す。あ、そうだ冷凍という手があった、と、冷凍そら豆で作成開始! 生地は、パウンド生地にアーモンドパウダーを混ぜたもの。 これにそら豆のシロップ煮をペーストにしたものを混ぜ込んで焼きます。 仕上げに、そら豆を煮たシロップにリキュールを混ぜたシロップを打ちます。 ![]() 飾りのそら豆をレシピどおり上にのせて焼いたのですが、見事沈んでしまいました。 本の写真では、いい具合にめり込んでいるんだけど。初めからのせないで、少し生地が固まったところでのせたほうがいいのかも。 また、生地に混ぜ込んだそら豆は、冷凍を使ったせいか、かなりほのか~ でも、アーモンドの入ったしっとりとした生地は美味で、お豆の優しい味がする(ような気がします(笑))。お豆を少し刻んで混ぜてしまってもいいのかも。 アーモンドは、ゆとりのあるときは、ホールを自分で皮を剥いて挽くのですが、今日は市販のものを使いました。生地にぶつぶつが見えるのは、市販(Trader Joe's)のが、皮ごと挽いてあるからです。 でも、やっぱり、自分で挽いたアーモンドの方が、香りはいいし、口当たりもいい。 プラス、やはり次回はフレッシュのお豆で作りたい。 でも、まずは、この本からなにか作れて、満足(相変わらず、単純)。 本では、焼き上がりにそら豆とバニラビーンズを綺麗に飾ってあるのですが、試しにやってみたら、私の持っている型は、レシピより一回り大きく、それに豆をのせるとバランスが悪くて、なんか変。で、はたと、余った生地をカヌレ型で焼いたので、それではどうか、とやってみたら、これはなかなか。 ![]() 他にも、トマトを使ったタルトや、アボガドとチョコの組み合わせ、美しいベリーを使ったお菓子の数々・・・などなどあり、いろいろ試してみようと思います。 この本は、皿もりのデザートが中心ですが、もう一冊、お菓子の本があり、そちらも、いずれぽちっとしてしまうでしょう(笑)。 そして、いつか、お店で、杉野さんのお菓子を食べてみたい♪ さて、そら豆のパウンドケーキは、素敵なあの方のところへお嫁入りする予定♪ 私にしては、最大限頑張って、ラッピングもしました。 その話は、また今度・・・ ![]()
by alatablekazuko
| 2006-04-16 05:38
| Baking
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